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団扇と扇子の違い

同じ扇のなかまであるウチワと扇子ですが、この二つの厳密な違いをご存知でしょうか。

見た目では、折りたためるものが扇子、折りたためないものがうちわと呼ばれていることがお分かりになると思います。

こちらでは、団扇と扇子は歴史的・文化的背景や細かな作りなどの違いをご紹介します。

扇の定義

団扇も扇子も同じ「扇(おうぎ)」の一種です。

扇とは円形、または円の一部を欠いた形状をしており、その形で扇ぐと風を送ることの出来る物を指します。

扇子の定義

扇子とは、「扇の子」と書く通り小型の扇のことを指します。

折りたたみ式の場合、横にスライドさせて扇面を見せるのが扇子です。

団扇の定義

団扇の「団」とは丸を意味します。

つまり丸い形状の扇であればうちわとなるのです。折りたたみ式もあり、その場合は前後に360度開いて扇ぐことが出来ます。

うちわは中国から日本へ

うちわの起源は古代エジプトと言われていますが、日本には中国から伝わりました。

夏場に涼を得るための実用的な道具として庶民の間に広まり、今のような姿になったと言われています。

風を起こす以外にも、ハエや蚊などの虫を追い払うものとしても使われていたようです。日常の中でさらに工夫が施され、形を変えたのがハエたたきです。

風を送る用途としては、炭をよく燃焼させるためや、寿司飯を作る際に利用されてきました。

古代中国では僧侶や文化化人が風を払う行為を「魔よけ」としていたことから、うちわは神事でも役立てられてきました。

現代では祭神輿の担ぎ手たちを応援する道具として大きなうちわが作成される姿にその名残を見ることが出来ます。

扇子は日本から世界へ

中国で発明されたうちわが日本へ伝わってから100年の後に、日本では扇子が考え出されました。

携帯しても便利なように、うちわを基にして折りたたみ式にされたのが今の扇子です。扇子の折りたたむ仕組みは、コウモリが羽を器用に仕舞う姿から考え出されたと言われています。

そのコンパクトな利便性が海外で評価され、17世にはパリの上流階級にいる婦人達の間で大流行しました。

涼を送る利便性だけでなく、扇子はその優美な見た目からも支持を得ます。そのためコミュニケーションの道具としても重宝されることになります。

その例はかの有名な源氏物語に見ることが出来ます。和歌を扇子の扇面に書いたり、花を添えたりして贈答や儀礼の場面に用いられています。

うちわが風を送る用途として実用性を追求したものであるなら、扇子は利便性のあるコミュニケーションツールとして長く日本文化の中で愛されてきました。

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